
加藤 淳子
建設キャリアアップシステムの運用が始まりました!
更新日:2020年7月27日
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは国土交通省が推進するシステムです。
運用主体は(一財)建設業振興基金で、ホームページに詳しく載っておりますが、
こちらに、ざっくりと書きたいと思います。
ちなみに平成19年から本格的に運用が始まりましたが、平成20年6月現在の事業者、技能者登録は293,500程で、5年を目途にすべての技能者登録を目指すとあります。
~どんなシステム?~
一般の入退場システムは安全管理などで技能者の入退場を記録するものですが、
キャリアアップシステムはその履歴が蓄積されていく仕組みです。
技能者がICカードを現場に入るたびにタッチすることで、現場名や立場が自動的に蓄積されていきます。
技能者のキャリアが蓄積されていくことで、今までどんな現場でどんな経験を積んできたのか「見える化」することで、技能者の適正な評価に繋がります。
技能者のキャリアが客観的に見えることで、会社の実力も見えるようになり、
元請け会社が、下請け会社の専門性や実力が客観的に見えて、施工能力の判断に役立つ
ようになります。
下請けの専門性もアピールに繋がります。
技能者はもちろんですが、元請け、下請けの事業者にもメリットがあるシステムです。
そもそも、なぜ建設キャリアアップシステムというものが運用される運びになったのか。
建設業界では、若い人材を求めているにも関わらず、
入らず、入っても定着せずでした。(肉体労働で休みなし=建設業界・・)
また、製造業などは40代位をピークに賃金が上がるのに対し、
建設業界では、50代をピークに体力の衰ろえと比例して、下がると。
ちゃんと技能者が評価されていない・・・。
技能者の資格の有無は、調べれば分かりますが、これまでの経験やどんな現場で仕事をしてきたかは分かりにくかったのですね。
建設キャリアアップカードに蓄積され、溜まった履歴はいわば、建設業界の履歴書です。
基本的には技能者と会社しか見れませんが、技能者が見せようと思えば、誰でも見ることができ、自分のこれまでの経験を証明できるのです。
最近は工事現場に女性の姿も見かけるようになり、国の働き方改革のひとつの
政策でもあります。
技能者を適切に評価して、建設業界を良くしていきましょう!ということです。
~カードは4種類、レベルに合わせて、白、青、銀、金~
評価が上がっていく基準は経験年数や、立場、業種毎にも異なり、
いまだ、検討しているものもあります。
基本的に、最初は白のカードですが、評価に応じて色が変わっていくので
やりがいに繋がります。
例外的に、登録基幹技能者はゴールドカードからスタートします。
ゴールドカードの評価は「高度なマネジメント能力を有するもの」
➜登録基幹技能者と定められているからです。
~会社にもメリットが~
優秀な技能者が一目瞭然。
同じデータの転記などの書類作成の煩わしさが無くなります。
建退共の事務作業を削減。証紙の貼り付けも削減!
まだ、始まったばかりの制度ですので
分かりにくい、必要があるの?という声もありますし、
手続きが面倒とも聞かれます。
国土交通省が推進ともなれば当然ですが、経営事項審査の加点対象になりました。
カードのレベルで技術者の加点になります。年月をかけて技術点が上がっていきます。 入札でも、コンプライアンス遵守の観点から評価点数に今後、響いてくることは
間違いないでしょう。